フランスとカリフォルニアのワイン10種が対決したことで知られるワインコンペティション「パリスの審判」において第5位の成績を収めた造り手の「ジョゼフ・ドルーアン ブルゴーニュ ピノ・ノワール」を飲みました。
ジョゼフ・ドルーアンは、ブルゴーニュに拠点を置く家族経営のワイナリーです。3代目のロベール・ドルーアンは、コート・ド・ニュイ地区の名だたるぶどう畑を次々と拡張し、その地位と名声を世界的に高めました。
また1998年にアメリカオレゴン州のウィラメットバレーに、ドメーヌ・ドルーアン・オレゴンを設立して新大陸にも進出を果たしています。
天皇皇后の両陛下がアメリカをご訪問時に、大統領晩餐会でアメリカを代表するワインとしてサーヴされたという名誉あるワイナリーでもあります。
「パリスの審判」として有名なフランスとカリフォルニアのワイン10種が対決したことで知られるワインコンペティションでは、白ワインの部門で第5位の成績を収めました。
「パリスの審判」は無名のカリフォルニアのシャルドネが、ブルゴーニュのシャルドネに勝ってしまい、結果としてニューワールドのワインの品質の高さを見せつけたという衝撃の事件です。赤ワインもカリフォルニアが勝利しています。
1位 Château Montelena Chardonnay 1973 (132点)
2位 Meurault-Charmes 1973 / Roulot (126.5点)
3位 Chalone Vineyards Chardonnay 1974 (121点)
4位 Spring Mountain Chardonnay 1973 (104点)
5位 Beaune Clos des Mouches 1973 / Joseph Drouhin (101点)
6位 Freemark Abbey Chardonnay 1972 (100点)
7位 Batard-Montrachet 1973 / Ramonet-Prudhon (94点)
8位 Puligny-Montrachet Les Pucelles 1972 / Leflaive (89点)
9位 Veedercrest Chardonnay 1972 (88点)
10位 David Bruce Chardonnay 1973 (42点)
それでは、テイスティングコメントに移っていきたいと思います。
色は薄いルビーレッドで、軽さを感じさせる色合いです。
香りはフレッシュなイチゴ、サクランボのフルーティーな香りで、非常にフレッシュです。甘酸っぱい酸味が特徴かと思います。
エレガントな酸、やわらかなタンニンが、味わいともに非常に軽くて、スルスル飲めます。
複雑性やボディ感は感じません。長期熟成するよりも、若いうちに飲むタイプです。
パリスの審判の話に戻りますが、最初の判定については異議申し立てがありました。
ブルゴーニュやボルドーの偉大な白ワイン、赤ワインは、長い年月の熟成を経てはじめてその真価を発揮し、対決で試飲されたフランスの白赤は、いずれも生産されてから3~6年しか経っていない若いワインであり、まだ品質のピークに達していなかったというものでした。
熟成による品質向上をしたフランスワインは、カリフォルニアワインなんかに負けるはずがないということで、リターンマッチが10年後の1986年に行われます
結果は次の通りで、またしてもカリフォルニアワインの勝利でした。
1位 Clos Du Val 1972
2位 Ridge Monte Bello 1971
3位 Château Montrose 1970
4位 Château Leoville-Las-Cases 1971
5位 Château Mouton-Rothschild 1970
6位 Stag‘s Leap Wine Cellars 1973
7位 Heitz Cellars Martha’s Vineyard 1970
8位 Mayacamas 1971Château
9位 Château Haut-Brion 1970
熟成したワインでもカリフォルニアのワインの素晴らしさが証明されました。
それから20年、最初の対決から30年が経過した2006年5月24日に、またもやリターンマッチが開催されます。
しかし、フタをあけてみると、三度カリフォルニアワインに軍配があがり、しかも1位~5位を独占するという劇的な結果となりました。
1位 Ridge Monte Bello 1971 (137点)
2位 Stag‘s Leap Wine Cellars 1973 (119点)
3位 Heitz Cellars Martha’s Vineyard 1970 (112点)
4位 Mayacamas 1971 (112点)
5位 Clos Du Val 1972 (106点)
6位 Château Mouton-Rothschild 1970 (105点)
7位 Château Montrose 1970 (92点)
8位 Château Haut-Brion 1970 (82点)
9位 Château Leoville-Las-Cases 1971 (66点)
10位 Freemark Abbey 1969 (59点)
カリフォルニア産だろうとボルドー産だろうと、偉大なワインは偉大な熟成をするということが証明されたのです。
加速度的にニューワールドのワインは品質を上げていますので、カリフォルニアワインすらも凌駕するワイン生産国が今後も現れることを期待したいと思います!
いやー、ワインって本当に良いものですよね!さよなら、サヨナラ、さよなら!
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール メゾン・ジョセフ・ドルーアン[長S]